蝉の羽化。蝉生の多様性

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子ども達と夜の公園へ、
蝉の羽化の観察に出かけた。

懐中電灯、ランプ、
キャンプ用ベンチ持参。

やる気満々。

ぺたんぺたんとサンダル履きで、
揃って道すがら、会話は弾んだ。

午後8時半頃公園に到着。

いたいた…数ある樹木の中、
人気の一本の木があった。
その木には5、6匹のまだ羽化してない
蝉がへばりついていた。

早速、その木を拠点に陣取って観察開始。

2時間くらい居た間に、蝉達は、
次々と羽化していった。

透明な、薄い緑色の羽は、
徐々に伸びていき立派になっていく。
美しい。

「おーっ!」「すご〜い!!」
子ども達も、大人も、歓声をあげた。
感動の連続だった。

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同じ羽化であっても、蝉ひとりひとり
違っている。土から出てきて、
まっすぐに木に登っていくのも、
ウロウロと歩き回り、
木に登りきれないで力尽きるものもいる。

木の幹の、どの場所で羽化を
始めるかでも、違ってくる、
風のよくあたる場所だと、
吹き飛ばされやすい。
短時間の間に、ささっと羽化する
のもいれば、時間のかかるのもいる。

やっと羽化できたのに、
風に飛ばされたのか?

まだ羽が乾かぬうちに、地面に落ちて、
羽に土や葉っぱなどが付いてしまって動けなくなっているものもいた。

乾かぬうちに何かに触れてしまうと、
羽は広がらなくなり、蝉は
飛べなくなってしまう。
だから、羽化したばかりの蝉には、
絶対に触れてはいけない。

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人間の出産がひとりひとり違うことが思い浮かんだ。

またひとりひとりの人生が違うように、
蝉の蝉生もいろいろだった。

けれど、蝉達は、自分の蝉生を
他の蝉生と比べて、ああだこうだ
嘆いてみたり、自分は立派だと
威張ったりしない。

自らの生をただ全力で生き抜いていた。

炎が、ただ燃え尽きるまで
燃えているように、蝉たちは、
命が尽きるまで、ただ、生きてた。

人間だけが、めんどくさいことを
並べ立てて、生を複雑にする。

「命尽きるまで、生きる。」

生とは、シンプルなものだ…。

蝉の生が多様であるように、人の生も多様であってこそ自然。
多様性を受け入れないことは、自然を受け入れないことであり、

自然を受け入れないことは、苦しみを選択することだ。
…と、そんなことを思う夏真っ盛りだ。
順田ひろみ

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