父の人生から学んだ、大切なこととは 前編

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3年前に他界した父は、
小さな身体でしたが、極めて運動神経の
いい人でした。
相撲は、土がついた事がないと
言われるほど、強かったと聞きます。

手先も器用で、竹かごなどを
竹を割るのから、編み上げるのから
簡単に仕上げてしまうのでした。

私が生まれ育った実家も、
父が19歳の時、友人や仲間達に
手伝ってもらい建てた家でした。

60年以上経った今も、
しっかり建っていますから、大したものです。

また、三味線も耳で覚えて
上手に弾いてしまうような人でした。

それらを、誰に教わったわけではなく
見よう見まねで、出来てしまう人でした。

さらには、闘牛では、
全島一の横綱を2頭も育てあげ、
せこ(場内で綱をとる闘牛士)を務めました。

牧場や野生の動物たちは
父の言うことをよくききました。

父は、明らかに、動物たちと
コミュ二ケーションをとる能力がありました。(笑)

父が、何かをやる時に、時折見せる
その集中力は、周囲を驚かせていました。

また人柄については、こんな人です。

曲がった事が嫌いで、相手が誰であれ、
おかしなものは、おかしいと怯まない人でした。

特に嘘や誤魔化しを嫌いました。

お金では動かない潔癖さを
貫き通した人間で、
祖先から譲り受けた財産や土地の多くを
惜しむことなく、困ってる人や町に提供していました。

それから、自殺で亡くなった人の
遺体を運ぶことも、嫌がることなく、
真っ先にやってくれたと、感謝されたこともありました。

こんなエピソードもあります。

ある時、母が足をハブに
噛まれたことがありました。
放っておけば毒が全身に回り死に至ります。

父は、咄嗟に、母の右足の傷の毒を
自らの口で吸い取り助けました。

もし、父に虫歯があったら、
父が死んでいたところかもしれません。

そんなことも、
「お前に先に死なれては困る」と言うだけでした。

そんな父は、子どもの頃、
周囲の人たちから「フーグシ ボン」と
呼ばれていました。

島の言葉で「大きな家のおぼっちゃま」
という意味です。父は島の、
おぼっちゃま育ちだったのです。

母親を7歳で亡くしてからは、
おばあちゃんが母親代わりに世話を
してくれたようです。
父は、自分の父親や周囲の人達からも
可愛がられ、伸び伸びと育ったようです。

とはいっても、戦時中の幼少期、
日本全体が苦労した時代でありました。

父に見初められ、半ば強引に
結婚させられた(笑)母は、
苦労の多い結婚生活だったようです。

だから母の目に写っていた父は、
わがままに育った為に自分の思い通りに
しないと、気がすまず、好きに生きた人。

母にとっては気難しい人で、共に生き
るには、辛いものがあったようでした。

母は、間違いなくいい人でした。
頭も良く働き者で、社会性に優れ、
しかし出過ぎず、謙虚でした。

私は、母を尊敬していました。

気難しい父に辛抱強く尽く母・・・・
それが、母から見た構図だったと
思いますし、周囲の人にもそう見えて
いたと思います。

父に気難しさを感じていた人は、
多かったかもしれません。
しかし、父に恩を感じていたり、
父が好きだと言う人もまた多かったのです。

晩年介護が必要となった父を、
愛情深く世話をしてた母を観察して、
分かったことがあります。

それは、母は父のことが大好きだったんだということ。

多分父のある種の才能の豊かさと、
信じられない程の純粋さに
魅力を感じていたんだと私は思います。

一方、私に対する父は、穏やかで優しく、
ちっともわがままな人ではありませんでした。

勝手な人でもなかった。
誠実で、信頼できる人でした。

私のしたいことを尊重してくれ、
私の意見をよく聞いてもくれ、
自分が間違ってることに気づくと、
それを認めて、意見をあっさり
変えてしまう。そんな人でした。
私は父のこともまた尊敬していました。

人の評価というものは、見る人や
関係性によってぜんぜん違うもので、
また、相手によっては、自分の
発揮されるものが全く違ってしまうものなのです。

母から見れば父の一生は、好き勝手な
ことを思い切りやって、羨ましい。
言いたいことを言って生きれて、満足だったろうと、母は言います。

しかし、私は、それとはまったく違う
見方をしていて、

父の生き様は、私に発見をもたらしました。

そして、それは自分が生きていく上で、
また、子どもを育てる上で、
大きなヒントとギフトを与えてくれました。

実は・・・

父は、ずっと苦しかっただろうと
私は思っています。父は子どもの頃ら、
自分を責めていたのではないかと思うのです。

そのことについては、次回にお話ししようと思います。

順田ひろみ

【動画】「フーグァ 福をもたらす子」作詞作曲/順田ひろみ

シンガーソングライター 順田ひろみHP

順田ひろみface book

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